6月7日
彼女がケーキを持って来たなら、僕は2人分の紅茶を淹れる。彼女がケーキナイフを握り締めているなら、僕はシャツのボタンを外して首を差し出す。
これはどういう欲望なんだろう。頬に触れることだけを一日考え続けてる。
プランクトンが海底にゆっくり堆積するように、昼に犯された罪がゆっくり夜に沈んでいく。僕は自分の罪を胸にかき抱く。忘れたくない、忘れたくないんだ。
月が罪を見つめている。隠れなければ。僕は自分の罪を月に奪われたくない。
僕は自分の敵だ。
小学生の頃に、もしかしたら自分は女の子になりたいんじゃと悩んだことがあったので、放浪息子は複雑な気持ちを持ちつつ面白く読んでいます。
サッカーとかよりおままごとしたかったな
どうしたらあの人は解放されるんだろう。僕が手を伸ばせば、嫌悪されて拒絶されてしまうだろう。僕が思っている事を伝えるにはもっと回りくどい方法を取らなきゃ。でもそれを考えることが、大切なあの人の心に対して謀略を仕掛けているみたいだ。思っていることがそのまま伝わってくれればいいのに。
本屋に居ると幸せで幸せで仕方無い人と友達になりたいな…。
鏡が、写真が、影が気持ち悪くて仕方ない。おぞましい。でもあれを抱き締めなければ始まらないのだ。しかし、あれは誰なんだ?
自分は抱き締められないよ。
そう言いながらビーズクッションを抱き締めて滑稽。
雀が雲雀が鳴いていられるのは、夕べ人の罪にまみれて月が死んだからだ。太陽が人の後悔を啜って笑ったからだ。月の断末魔が、太陽の哄笑が、耳を離れない。
例えばTULLY'Sで窓際のシートに座り本を読んでいるような時、一人で居るような時、求めてしまう。窓の外に探してしまう。内緒話、光線の変化、秘密の徴、あの名前。
もらうことよりあげることばかり考えている。何も無いのに、骨すら汚れているのに。太陽が乾いている。
みんな鼠の眼をしてる。
あれほど引き裂かれたのに、今でも小さな物を愛しているのが嬉しいな。
奴隷になると誓ったし、事実奴隷だった。薄ら笑いしか知らなければそれは奴隷だろう。縛られて熱湯を浴びせられて薄ら笑っていれば。いつでもほどけると分かっていたのに。今僕は芝生に座って本を読んでいる、内面の嵐と均衡しているこの短い時間、満ち足りている。信じたいと思っている。
人間の中から真実を取り出す作業は、個人を侮辱していることになるのだろうか。
そろそろ夜が始まりますね