3月11日

先生、幼稚園のあの庭から教授室でのお別れまで、何も教えてくれませんでしたね。でもそれが先生のお仕事だったんですね。


消えてしまった美しかったものを見てしまった、思い出してしまったよ。いつも、必ず、俺が裏切るんだ。


心を甘やかして行動を甘やかさなきゃいいのに、逆ばっかりで馬鹿みたいだ。ばーかばーか。


日常以外何も存在しない、ここには。


ナンバガが甘くて聞けない


そうじゃないって気付いてしまった後が自分にずっと続いているからって、まだ気付いていない人を探すのは卑怯だな。


油断していたから純度の低い赤が突き刺さった。


分かりたいなんてこれっぽっちも無かった。分かってもらいたいだけだった。知られるのが嫌だから知りたいだけだった。


指先からの一滴を舐め取らなければ、全て枯れ果てる。


もがいてるのに乾いてる人好きだなあと思ったけど、もがけばもがくほど乾くなんて当たり前だった。


白骨になって触れて回る世界の無意味さを共有して、そうして、「それだけじゃないよね」とカタカタと微笑み合った、なんてことはもちろん無かった。


花屋に寄って、安い黄色い花を買って帰って、喜ばれたら、嬉しい。


花屋に寄って、安い黄色い花を買って帰って、喜ばれる可能性は、いつだってゼロじゃないから、嬉しい。


何がどうだって可能性はいつだって無頓着にあるから喜べ喜べ、素晴らしいだろ。